アスペルガー症候群の息子について

私には息子と娘がいます。
娘のことは何回か記事にしています。

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手のかかる娘なんでしょうけど、ずーっと一緒に暮らしてきたわけで、今の生活が普通の家庭と思えてたりします。
本当なら反抗期があったり、高校や大学などの進学のことで一緒に悩んだりするところなんでしょうけど、そういったことがない日常です。

御年19歳ではありますが、体格はそれなりに大きくなったとはいえ、5歳ぐらいの子供を相手にしているような生活が、今までも、そしてこれからも続いていくのでしょう。

 

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イラストAC

息子に至っては、4年と6カ月かかって理系の大学を卒業し、自宅に帰ってきました。仕事はまだ決まっておらず、現在就活中です。今日はそんな息子のことを書いてみたいと思います。

私の息子には発達障害があります。
障害名は自閉症スペクトラム症(ASD)。
少し前まではアスペルガー症候群と診断されていました。

発達障害にはこのアスペルガーのほかにも、自閉性障害や小児期崩壊性障害などなど、いろいろあるようで、個々の障害の程度や内容において線引きがあいまいなことから、自閉症スペクトラム症という疾患名にまとめたのだそうです。
ということなんですが、この記事では息子はアスペルガー症候群で話を進めます。

 

 アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群とは、ザックリと言ってしまえば人とのコミュニケーションがうまくとれない障害です。

場の空気が読めない

息子も空気を読むというのは大変苦手にしていました。
空気を読むということ自体、今も良く分かってないと思います。

性格はおとなしいほうなので、現在はそんなにトラブルはないのですが、正直に感情を出してしまうものですから、大なり小なりいろいろありましたね。

特に、環境が変わるとトラブルを起こしていました。
中学・高校・大学など進学した時期や、クラス替があったときなど、よく小競り合い的なことをしでかしてました。周囲も息子に対しての免疫がないものですから、なんか変な奴と思ってしまうのでしょう。

 

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写真AC

ちなみに息子は小学校に入ったときは補助の先生を付けていただきました。
すでに、発達障害と診断されていたので行政のほうに相談してみたところ、このような対応をしてもらったわけです。
幼少の頃は多動な面もありましたので、補助の先生はご苦労されたことと思います。

計画的に物事を進めれない

計画性がない。これもまたその通りです。
私もこういうとこありますけど(^-^; 息子はなおさらです。
うちの嫁がそのへんしっかりサポートしてくれてます。


こだわりが強い

小さい頃の話ですが、息子をホームセンターに連れて行くと決まって換気扇売り場に向かってました。どうしたわけか換気扇が好きなんです。あと時計もそうでした。

 

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写真AC


まだ小学校に入る前の出来事ですが、他人のうちに上がり込んで換気扇を見ることも度々ありました。そしてただ見るだけでなく、「汚いなぁ」などと感想を言ってきたりするものですから、冷や汗もんでしたね。。。

22歳になった今も、昔ほどではないにしても換気扇には興味があるみたいです。

想定外のことに対応できない

突然のハプニングなんて言語道断です。
先日も自分のパソコンのキーボードが、机から落ちていたとかで奇声をあげてました。奇声をあげられたこちらとしてはびっくりです。
「どうしたぁー!?」と部屋に行ってみるとキーボードが落ちてる。
「それだけ・・・(汗)」しかしながら、息子にしては大ごとなわけで、命の次にパソコンが大事といっても過言でない息子にしてみれば、奇声をあげるほどショックだったのでしょう。

落ちてしまったキーボードをまず机に戻せばいいのに、パニックを起こしてしまって、すぐに対応できなかったわけです。

言葉よりも写真や図解などのほうが理解しやすい

アスペルガー症候群の典型とか言われますが、これについては私の息子に関してはそんなんでもなかったかなと思ってます。言えばそれなりに理解してくれてました。
ただ、今にして思えば写真などを利用すればもっと理解が早かったのかなと・・・

地道に 正直に 誠実に

そんな息子が大学に入学しまして、6カ月遅れでこのほど卒業しました。
4年と半年いろいろなことがありましたが、よくぞまあ一人でやったもんだと思っています。
下宿に入りましたので、朝晩の食事は心配ありませんでしたが、身の回りのことやれんのかと、口に出さないまでも心配はしておりました。

そしてこのたび、どうにかこうにか卒業を果たし、その下宿から出ることになりました。そしたら下宿の食堂のおばさんから色紙を頼まれたそうです。聞けば、その下宿は息子が通っていた大学の学生の利用割合が高く、晴れて卒業が決まった暁には、記念に色紙を書いてもらうのだとか。

で、息子が書いた色紙が下の写真になります。

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地道に 正直に 誠実に

我ながら親ばかですが、この色紙を見たときは思わずウルッときてしまいました。
この障害を持つ人の特性がまさに「正直」です。
社会に出たら、周囲と器用に付き合っていくなんてできっこありません。どんなときも「地道に、そして誠実に」を愚直に繰り返していくことが息子の生きていく道だと思っています。

現在、行政からのサポートで、障がい者枠で何社か紹介してもらい、面談してみたいとのオファーをいただいています。ありがたいことです。

そして私たち夫婦も息子が自立できるよう温かく、時には厳しく、時にはセクシーに(小泉かっ!)見守っていくつもりです。

つーか、必ず自立させなきゃならんのですが (;´Д`A ```